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第7巻 第5号 1974年9月 [目次] [全文 ( PDF 790KB)]
原著

噴門癌における十二指腸側切離線の決定―とくに肉眼的腫瘍境界と組織学的腫瘍境界の判定に関する考察―

鈴木 茂, 川井 忠和, 関 博, 尾沢 正俊

群馬大学第2外科

 噴門癌に対し,胃壁内浸潤,リンパ節転移が許容されれば,胃全剔術を行わず,噴門側切除にとどめる事も可能である.
 噴門側切除後の逆流性食道炎予防のため,われわれは小弯側広汎切除による大弯側胃管を作ってきたが,胃管縫合器をかける起点として肉眼的腫瘍境界より5 cm離れた部分を定め,切離線としてきた.
 肉眼的に判定した腫瘍境界と組織学的境界とにどのような誤差があるか,肉眼的腫瘍境界から5 cm離して胃管形成を行った場合のawは(-)であるかどうかを検討し,あわせてリンパ節転移の点からも噴門側胃切除の可否について検討した.その結果,占居部位Cより口側,あるいはCM s(-)例は腫瘍境界より5 cm離れた胃管利用が可能であると判明した.

日消外会誌 7: 432-439, 1974

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