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第7巻 第6号 1974年11月 [目次] [全文 ( PDF 890KB)]
原著

噴門癌の食道進展に関する臨床的ならびに実験的研究 第1篇 食道進展をみる噴門癌の臨床病理学的研究

川田 彰得

東京女子医科大学消化器病センター

 噴門癌のうちいかなるものがより高く食道へ進展するかをしるために切除標本94例を検索した.その結果,癌腫の肉眼型,漿膜下組織層への癌浸潤,腫瘍の大きさと食道進展距離の比,組織学的な食道進展様式などが,上記の問題と関連をもつことがわかつた.一方,年令,癌腫の組織型,浸潤度などは食道進展と直接関係のないことがわかつた.さらに食道へ進展を促進する因子として,漿膜下組織層への浸潤が食道進展に関与し,一方進展そのものは食道粘膜固有層,粘膜下組織層を先進部とすることがわかつた.このことは進展機序を示唆するものと考えられる.

日消外会誌 7: 535-542, 1974

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