原著
膵に対する蛋白合成阻害剤の実験的臨床的研究
木南 義男, 河村 允, 杉井 衛, 新村 康二, 宮崎 仁見, 山岸 満, 宮崎 逸夫
金沢大学医学部第2外科教室
膵外分泌腺細胞における蛋白合成阻害を生じせしめ,外分泌酵素を抑制せしめる方法を検討した.RNAおよび蛋白合成阻害剤としては臨床応用を目的とし制癌剤である5-FluorouracilおよびVincristineを用いた.実験的には,これらの薬剤をラットに投与し,標識アミノ酸の膵への取込みの測定とAutoradiographyにより蛋白合成阻害を検討したところ,明らかにこれらの薬剤投与が有効である所見を得た.一方,各種の膵疾患13例に主として5-Fluorouracilを投与し,血清尿アミラーゼ値や臨床所見について,あるいは手術時挿管された膵管内チューブからの膵液の推移について検討した.その結果,本法の外分泌酵素に対する効果は可成り認められ,また膵手術における応用も充分期待された.
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