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第8巻 第5号 1975年9月 [目次] [全文 ( PDF 627KB)]
原著

肝部分壊死における諸臓器血流変動

真辺 忠夫, 鈴木 敞, 本庄 一夫

京都大学第1外科

 肝動脈結紮後の早期死亡例について検討した結果,それらはいずれも種々の程度の肝壊死を伴い,腎,脳,消化管などの全身諸臓器障害が高頻度にみとめられた.これらの原因を究明すべく家兎肝の20%領域の肝壊死を作成し,血行動態面よりの観察を行った.肝壊死作成24時間後,門脈域をはじめ腎,心,膵,副腎,脳に著明な血流低下がみとめられ,肝壊死除去後もこれらの血流障害の回復は遅延し,肝壊死に伴う臓器障害原因として血流障害が重要な要因をなしていることが明かとなった.さらに膵外分泌腺荒癈家兎に肝壊死を作成すると諸臓器血流障害は,きわめて軽微であり,膵が肝壊死時の血流障害発症機転に密に関与していることが示された.

日消外会誌 8: 466-471, 1975

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