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第8巻 第5号 1975年9月 [目次] [全文 ( PDF 563KB)]
原著

II.急性膵炎時の腹腔内浸出液(腹水)および,正常膵液の全身循環動態に及ぼす影響

佐竹 克介, 梅山 馨

大阪市立大学医学部第1外科

 急性出血性膵炎のshockはhyopvolemiaによるものであるが,強力な内科的療法を行ってもいまだ死亡率は高く,膵炎shockには他の因子が関与するものと考えられる.事実,急性膵炎中にvasoactive peptideおよびspecific vasotoxic peptideが遊離することが示唆されている.前論文においても,急性膵炎中の血中にbradykininが上昇することを報告した.
 本実験は,正常膵液および急性膵炎時の腹水の全身循環におよぼす影響を検索した.正常膵液(2 ml/kg)および腹水(2 ml/kg)を正常犬に静脈内投与を行った後に,血圧の一過性下降,大動脈血流量および門脈血流量の増加を認め,これらの物質によるvasoactive substanceの遊離が示唆された.
 これら正常膵液にはtrypsinおよびbradykininは認められないが,大量のkinin-forming enzymeの含有を認めた.また,急性膵炎時の腹水中には,大量の膵外分泌酵素が認められたが,trypsinはほとんど認めず,少量のbradykininおよび大量のkinin-forming enzymeを認めたことからtrypsinがshockの原因であることは確かであろうが,正常膵液中,腹水中のkinin-forming enzymeがshockの一因とも考えられた.また,近年,膵炎治療に行われるperitoneal lavageの意義について述べた.

日消外会誌 8: 485-490, 1975

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