原著
胃外増殖型胃癌―自験例6例を中心とした本邦報告21例の検討
須加野 誠治, 曽和 融生, 松沢 博, 三木 篤志, 山本 繁, 紙野 建人, 梅山 馨, 小林 絢三*, 赤土 洋三**
大阪市立大学医学部第1外科(主任教授:梅山 馨), *同 第三内科, **同 放射線科
過去13年間に当教室において胃外増殖型胃癌6例を経験した.本腫瘍は胃癌の発育形態として比較的稀な型であり,報告例も少ない.
今回,自験6例および本邦報告例の21例について,臨床的病理組織学的に検討した.まず臨床所見として腹部腫瘤を触れるものが多く,その診断は容易ではないが,触診が重要な手段であると考えられた.好発部位は幽門前庭大弯側であり,肉眼所見は胃外発育部は良く被包され,割面の充実性結節模様を示すものと,高度の壊死による嚢腫状のものがみられた.組織型は多様であったが,一般に髄様の構造と脈管侵襲の強いことが共通した特徴であった.
 |
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|