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第9巻 第4号 1976年7月 [目次] [全文 ( PDF 598KB)]
原著

結腸憩室性疾患症例の検討

加部 吉男, 木戸 晴雄, 岡村 治明, 菅原 恒星1), 鈴木 時雄1), 森田 建1)

春日部市立病院外科, 日本第1外科1)

 最近増加する傾向にある結腸憩室性疾患経験例43例につき臨床的検討を加えた.右側例31例,左側例7例,全結腸例5例であり,そのうち右側結腸憩室炎が19例でとくに多かった.右側結腸憩室炎は急性虫垂炎との鑑別が難かしいが,診断がつけばまず保存的に治療し,手術の適応は再発例や進行例にとどめるべきである.右側結腸憩室の成因に関しては単発性真性憩室は先天性であるとの説以外明確な説明はみられない.しかし,小児の結腸憩室例は極めて稀であり,小児注腸例の検討でも結腸憩室はみられず,憩室の局在位置を検すると左側と同様に自由紐と大網紐との間には憩室はみられず,右側結腸憩室の発生も後天的機序を考慮すべきであろう.

日消外会誌 9: 437-442, 1976

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