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第9巻 第4号 1976年7月 [目次] [全文 ( PDF 1043KB)]
原著

近位選択的迷走神経切断術に関する実験的研究

芳竹 敏郎

京都府立医科大学第2外科教室(主任:橋本 勇教授)

 近位迷切術のみでは,胃液胃酸分泌の減少は見られたものの,血中ガストリン値は逆に増加し,幽門成形術を併設することによって,血中ガストリン値の上昇が抑制されることが証明された.また幽門洞枝を幽門輪枝を含めて切断した場合には,胃液胃酸分泌ともに増加し,同時に血中ガストリン値も上昇する.この場合にも幽門成形術の併設によって,両者の減少が認められた.さらにこの場合,幽門洞部および幽門輪の迷走神経支配を断つことで,著明なdistensionが認められたが,幽門成形によるdrainageでこの状態を解消できるという結果は,迷走神経幽門洞枝がガストリン分泌を抑制するものでないことを証明している.
 さらに予め近位選迷切術を施行して後,幽門成形術を併設すると,胃液胃酸分泌および血中ガストリン値の低下が認められることが判明した.この事実も幽門洞部に神経支配が残存していても,drainageを付加すると,ガストリン値の低下が認められるという証明で,壁細胞領域がdenervateされているとはいえ,近位選迷切術にとって,幽門成形術は合目的な方法であるという確証を与えたものである.

日消外会誌 9: 496-506, 1976

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