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第9巻 第5号 1976年9月 [目次] [全文 ( PDF 756KB)]
原著

実験的elastase膵炎の病態

土肥 浩義, 佐竹 克介, 内間 恭堅, 梅山 馨

大阪市立大学医学部第1外科

 急性膵炎の発生機序に関しては,trypsinを中心とした活性化膵酵素の間質内逸脱による自己融解がその本態をなすと考えられてきたが,最近,trypsinによる急性膵炎発生に疑問がもたれてきた.われわれはすでに膵外分泌液中にはelastaseが豊富に存在することを証明しその重要性を指摘してきたが,今回は,従来の自家胆汁性膵炎を対照として,elastaseの膵管内注入によって作成した急性膵炎犬についてその病態を中心に検索した.elastase注入群の膵組織像は比較的早期から小葉間間質の細動脈壁の破壊,膵実質および小葉間間質の出血像がみられたが,対照群では早期より膵実質細胞の変性壊死が強く,出血像は著明でなく,小葉間間質の細動静脈はよく保もたれていた.しかし膵炎発生5時間後では,ともに出血性壊死性膵炎像がみられた.また,かかる膵組織中のelastase含有量は著明に減少した.これらの成績から,浮腫性膵炎の出血性膵炎への進展に膵elastaseが何らかの役割を演ずるものと解され,一方,急性膵炎における血中膵elastaseの測定は膵炎の激症化への予測に役立つものと考えられた.

日消外会誌 9: 604-610, 1976

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