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第10巻 第1号 1977年1月 [目次] [全文 ( PDF 603KB)]
原著

カプセル法食道擦過細胞診による食道癌の診断

小野澤 君夫, 鍋谷 欣市

杏林大学医学部第2外科学教室

 現在,食道癌のスクリーニングには主としてX線検査が用いられているが,食道の場合X線検査のみにスクリーニングをたよることはいろいろと問題点がある.そこでわれわれは新たにカプセル法食道擦過細胞診を開発した.この方法は,ウレタンフォームとESフアイバー製不織布とにより,表面粗造でかつ弾力性のある擦過刷子を作製,圧縮して投薬用カプセル内に封入する.胃内に嚥下させると,数分間でカプセルは溶解し,擦過刷子は膨脹する.これを口から抜去すると,食道粘膜面を充分に擦過し,細胞を採取し得る.われわれは,これを45例に施行し,食道癌10例ではカプセル不通過3例を除いて7例全例陽性であり,食道癌のスクリーニングさらに集団検診にも有用な検査法であるとの結論を得た.

索引用語
食道擦過細胞診, 食道癌(の診断), カプセル

日消外会誌 10: 1-6, 1977

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