原著
8 cm以上食道癌の予後の治療前判定
岡本 良夫
東京大学医学部附属病院分院手術部, 外科
X線的に8 cm以上の病変をしめす食道癌の予後の期待性は一般に比較的小さいが,局所に限局的な症例もまれではないので,これをできる限り治療前に判定し,適切な治療を行うことは重要である.われわれは病巣病端のX線的形態と局所的進展および転移をつよく示唆する臨床所見とを組合わせて,49例の症例をretrospectiveに検討したところ,両端の立ちあがりの鋭い病巣はよりすぐれた予後を示し,ことにほかの示唆的所見を欠く場合には根治の期待性がかなり大であった.この判定法の意義と限界,さらにかような症例の治療について考察した.
索引用語
食道癌, 食道癌の診断, 食道癌の予後
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