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第10巻 第4号 1977年7月 [目次] [全文 ( PDF 934KB)]
原著

食道平滑筋腫の臨床―教室における6治験例の報告と本邦60手術症例の統計的観察―

佐藤 源, 浜田 英明, 大石 健三, 河島 浩二, 田中 聰, 砂田 輝武

岡山大学医学部第2外科教室

 食道平滑筋腫の教室6手術例は,32歳から52歳で男女比5:1であり,Ce以外の食道の各部位にみられ,全例核出術を施行しえた.文献上蒐集した本邦60手術症例の統計的観察を行った.年齢は2歳から62歳で,性別差はなく,発生部位はCeになくて60%が下部食道であり,主症状は嚥下障害と異和感が多く,無愁訴例が11.7%である.術前診断は,癌腫とは区別されながらも,本症と診断せるものは極めて少なく,食道に16.7%に併発疾患があり,多発例13.3%である.手術々式は腫瘤摘出術と食道切除術がおのおの57.4%,40.8%である.本症の術前の確診,とくに悪性疾患との鑑別は困難であり,本症は愁訴の有無にかかわらず手術的療法を考慮すべきである.

索引用語
食道平滑筋腫, 食道平滑筋腫の診断と治療, 食道平滑筋腫の統計的観察

日消外会誌 10: 368-376, 1977

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