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第10巻 第4号 1977年7月 [目次] [全文 ( PDF 1136KB)]
原著

食道癌および噴門癌術後の消化吸収と形成胃管の機能について―とくにvagotomyの影響―

猪口 てつ三, 平山 長一朗, 青山 雄三

久留米大学医学部第1外科教室(主任:脇坂順一教授)

 食道および噴門癌術後の消化吸収に関与する諸因子や形成胃管の機能について,迷切との関連を中心に検討した.膵の外分泌機能は酵素系を除けばそれほど障害を受けていなかった.術後の消化吸収障害は脂質において著しく,蛋白質がこれにつぎ,糖質では障害をみない.再建経路別消化吸収の検討では,B-I法がB-II法型に比べ優れており,B-II法型における消化吸収不全の重要な困子はPancreatico-cibal asynchronyと考えられる.食道再建に用いられた形成胃管の外分泌能はほとんど喪失している.大弯側寄りに細長く形成された胃管の内圧勾圧は,胸腔内および後縦隔経路に再建された場合,食道の生理的条件にほぼ近かった.

索引用語
形成胃管, Vagotomy, 術後の消化吸収, 術後すい機能, Pancreatico-cibal asynchrony

日消外会誌 10: 393-403, 1977

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