原著
外科的侵襲に伴う蛋白質代謝の標識アミノ酸による臨床ならびに実験的観察
猪口 てつ三, 福島 駿
久留米大学医学部第1外科教室
手術侵襲により生ずる蛋白質代謝状態を見るため標識アミノ酸を用い実験的,臨床的にその生体内分布,消失状態,組織蛋白への移行状態,創治癒,消化吸収などについて検索を行った.この結果,手術侵襲後では蛋白代謝過程は速く,また,糞尿中への排泄も多く,Na/KおよびK/Nの推移からみても異化亢進状態にあると思われるが,一方,tracerによる観察からすると術後早期より一部では同化機転がすでに始まっており,投与蛋白の創治癒への参加もみられ,手術侵襲後の時間経過とともにその利用率が高まることにより,術後早期でもprotein scoreのよい蛋白質投与は有意義なものと思われる.
索引用語
手術侵襲と蛋白質代謝, Autoradiography, 筋蛋白同化過程, Special diet, 消化吸収
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