原著
膵病変時の血清Carboxypeptidase A活性に関する研究
佐竹 克介, 木下 晴夫, 梅山 馨, 奥田 清1)
大阪市立大学医学部第一外科, 同 中検1)
膵外分泌酵素の一つであるCarboxypeptidase A(CPase A)の生理学的ならびに病態生理学的動態については不明である.今回,われわれは本酵素の生理学的ならびに病態生理学的動態について実験的ならびに臨床的に検討した.膵液中のCPase A活性はP-S連続刺激下でAmylase値と同様の変動を示した.急性膵炎時は血清CPase A活性は軽度の上昇がみられたにすぎなかった.膵全剔,および膵管結紮後では血清CPase A活性は経日的に著明に低下した.確認した膵癌17例の術前CPase A活性は低値を示すものが多く,特にビマン性はものに著明であった.これらの成績から,本酵素活性は際液中に高濃度に存在し,血清CPase A活性は膵外分泌障害時に低値を示したこの事実から,本酵素の測定は膵疾患の存在を推測する一つの方法として有用と推測された.
索引用語
Carboxypeptidase-A (Cpase A), Amylase, 急性膵炎, 慢性膵炎, 膵癌
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