原著
閉塞性黄疸軽減術の検討―統計学的解析による―
松末 智, 柏原 貞夫, 倉本 信二, 前谷 俊三, 田中 英夫, 香川 嘉宏, 青木 孝文, 中村 義徳
天理よろづ相談所病院腹部外科
過去10年間に当科で施行された胆・膵系手術例で,総ビリルビン10 mg/dl以上の閉塞性黄疸を有する54例(根治術施行例,胆石症によるものは除外)の術後ビリルビン値の推移を解析し,半減期(T1/2)を算出し,黄疸軽減効果の判定を行った.内瘻より外瘻の方が,有効例の割合,T1/2とも不良で,内瘻間では肝腸吻合が効果不良であった.log T1/2とGPT,LAPとは逆相関を示したが,術前T.B.値とは相関なく,肝転移は黄疸軽減には余り影響が無かった.30日以内死亡(10例)原因は,黄疸持続が6例と最高であった.閉塞性黄疸の治療には肝再生能力の十分な早期に手術を行う必要のある事を述べる.
索引用語
閉塞性黄疸, 黄疸軽減術, Biliary diversion
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