原著
胸骨前食道・形成胃管吻合術における頸部縫合不全に関する臨床的考察
米沢 健
横浜市立大学第2外科(主任:土屋周二教授)
胸骨前食道形成胃管吻合術における縫合不全防止策を見いだすことを目的とし臨床的検討を行った.まず縫合不全防止の面から術前栄養状態の改善および十分な呼吸管理が望まれる.縫合不全は,進行癌症例に多く,これらに対して手術侵襲が過大とならぬよう注意が必要である.形成胃管においては,長い胃管かならずしも有利とはいい難く,胃は最小限に利用すべきである.山岸式胃管では比較的縫合不全は少なく,場合によっては連続性胃管を山岸式胃管にきり変える配慮が必要である.吻合法や縫合法によっても発生頻度に多少の差があり,これらに対する配慮も必要である.術後管理により縫合不全は防止しうる面もあり,術後管理の重要性が痛感させられた.
索引用語
縫合不全, 胸壁前食道胃吻合術, 食道再建術, 術後合併症
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