急性膵炎時における血中β-glucuronidaseの変動とCardiac function

佐竹　克介, 西村　茂彦, 梅山　馨, 謝　直道^1）, 藤森　貢^1）

大阪市立大学医学部第1外科, 同　麻酔科^1）

　近年，種々のshock時にみられるmyocardial depressant factor（M.D.F.）の産生は，膵血流量低下による膵のIschemiaおよび膵障害により遊離されるIysosomal enzymeと密接な関係があると推測されている．
　われわれは実験的に自家胆汁性急性膵炎を作成した犬について血中β-glucuronidase値，cardiac functionおよび膵血流量を中心に検討を加えた．
　膵炎作成後の血中β-glucuronidase値はamylase値と同様に経時的に上昇し，腹水中にも多量証明された．平均血圧は100 mmHg以下に低下する例はみられないにもかかわらず，cardiac out-putおよびstroke volumeは著明に減少した．同時に測定した膵血流量も低下した成績から，急性出血性膵炎にみられるcardiac functionの低下は膵血流量の低下および血中β-glucuronidase値の上昇に関係して，M.D.F．の産生も推測された．

索引用語
急性膵炎, β-glucuronidase値, cardiac function, 膵血流量

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