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第11巻 第1号 1978年1月 [目次] [全文 ( PDF 858KB)]
原著

直腸カルチノイド;症例報告と本邦報告例の文献的考察

有馬 純孝, 梅野 寿美, 牛島 正和, 志村 秀彦

福岡大学第1外科

 われわれの集計し得た直腸カルチノイドの本邦報告例は42症例である.1970年以降の報告が多く,最近の大腸疾患への関心のたかまりを示すものと思われる.自験例を示すとともに,カルチノイド腫瘍の歴史的背景の概略と,集計例42症例について臨床病理学的検討を加え,診断と治療について述べた.男女比は1.9で男性に多く,40歳代にピークがあり,特異的な主訴はない.発生部位は肛門より直腸指診で可能な症例が大多数で,腫瘍の最大径により,1.0 cm以下では転移例はなく,1.0~2.0 cmでは25%に,2.0 cm以上では88%に転移がみられた.生化学的異常値を示した症例は5例にみられた.

索引用語
直腸カルチノイド, 本邦報告例集計

日消外会誌 11: 135-142, 1978

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