原著
肝門部術中照射療法に関する基礎的研究 電子線1回大線量照射による慢性期の組織学的変化
轟 健
千葉大学医学部第2外科学教室(主任教授:佐藤 博)
肝門部術中照射療法で行われる電子線1回大線量照射による正常組織の慢性期障害について実験した.家兎肝門部に開腹したまま電子線を1回に3,000 radおよび5,000 rad照射し,照射後3カ月と10カ月の慢性期における照射部位の肝,肝外胆管,固有肝動脈,門脈の照射による変化,ならびに照射野外の肝の変化を病理組織学的に検索した.実験成績から肝門部電子線3,000 rad l回照射は,慢性期においても組織耐容線量内にあることがわかった.また5,000 rad 1回照射後10カ月後には,非照射部位の肝においても肝葉の萎縮とcholeangiofibrosis類似の所見を呈した.
索引用語
術中照射療法, 肝門部癌, 1回大線量照射, 放射線慢性期障害
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