原著
胃切除後の食道内逆流―とくにビルロートI法胃亜全摘術後の障害について―
遠藤 篤
和歌山県立医科大学消化器外科(指導:勝見正治教授)
遠位側胃亜全摘術後に発生する食道内逆流に関し,食道内圧測定,レ線的逆流誘発試験,胃切除量測定,His角測定,食道内逆流症状採点などの手段により食道内逆流防止因子の究明ならびにその予防的術式を検討した.
その結果,食道内逆流は食道下部高圧帯静止圧およびその幅,His角,胃切除量,吻合形式等の因子が複雑にからみあつて起こり,その予防にはこれらの因子を十分に考慮する必要がある.
これより遠位側胃亜全摘を余儀なくされる場合にはBillroth-I法を避け,Roux-Y法を採用すべきである.
索引用語
遠位側胃亜全摘, 術後食道内逆流, Roux-Y吻合
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