原著
胃手術後有愁訴患者の食道,残胃内pHの分析とその治療に関する研究
小泉 裕
東京慈恵会医科大学第1外科教室(主任:綿貫 てつ教授)
医用カプセルを用い,胃切後有愁訴患者100例を対象に,口腔内から残胃内におよぶpHを連続測定し,愁訴との関連性を検討した.下部食道内と残胃内pH曲線は6型に分類することが可能であったが,pHの動揺を示すタイプに強い愁訴をもつ者の多いことが判明した.
吻合部潰瘍症例は動揺型にも非動揺型にも認められたが,残胃内における最低pH値はいずれも2.0以下であった.
有愁訴患者の治療方針の検討を試みたが,吻合部潰瘍に対しては,迷切を加える外科的療法が最も適した方法であると考えられた.その迷切効果の判定には,有線ガラス電極による粘膜上pHの術中測定法が極めて有用な方法であることを確認した.
索引用語
医用カプセル, 食道内pH, 残胃内pH, 胃切後愁訴, 吻合部潰瘍
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