原著
大腸ポリポーシス症例の検討
山崎 昌宏, 山田 洋, 古田 環, 犬飼 治, 小林 陽一郎, 石榑 秀勝, 服部 龍夫, 近藤 成彦1), 蜂須賀 喜多男2), 太田 敬2)
名古屋大学第1外科, 名古屋保健衛生大学福慶外科1)大垣市民病院外科2)
われわれは大腸ポリポーシスの10家系12症例を経験した.うち1例を除く11例は大腸進行癌を合併していた.10例の手術例のうち2例はイレウスで緊急手術となり,摘出した標本により本症と診断がついた.このような場合,一時的に人工肛門を作成し,後日できるだけ早く精査を行い,根治手術にもっていくのが妥当である.Busseyによれば十二指腸乳頭近傍に悪性腫瘍が12%にみられ,随伴病変の検索は益々重要となる.本症の家系内調査は一定の困難性を伴い,それはある意味で精神疾患と共通した病気に対すり偏見からくる.
索引用語
大腸ポリポーシス, 大腸癌, イレウス例, 随伴性病変, 家系内調査
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