原著
総胆管結紮(ラット,イヌ)による実験的閉塞性黄疸の解除の時期に関する生化学的検討
白川 勝
神戸大学医学部第1外科教室(指導:光野孝雄教授)
閉塞性黄疸時の病態生理とその閉塞解除時期を,肝機能,肝再生能および血清ミトコンドリアGOT(m-GOT)を中心に生化学的な面より経時的に検討した.
肝ミトコンドリア,ミクロゾーム機能およびビリルビン代謝は総胆管結紮後経時的に低下し,3週目以後とくにその障害は著明であった.一方,肝再生能は結紮後初期は増加するが,3週目以後低下の傾向を示した.したがって,閉塞解除時期は総胆管結紮後できれば2週目以内が望ましいと考えられた.またこれら肝の病態生理を著者らの提唱したm-GOTはよく反映していたので,閉塞解除時期を知るよい指標になると思われた.
索引用語
閉塞性黄疸, 肝ミトコンドリア機能, 肝内色素結合蛋白(Y,Z蛋白), 肝再生能, 血清ミトコンドリアGOT(m-GOT)
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|