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第11巻 第6号 1978年6月 [目次] [全文 ( PDF 1344KB)]
原著

下腸間膜動脈結紮時の血行動態に関する実験的研究

町田 純一郎

弘前大学医学部第2外科(指導:大内清太教授)

 前方切除術施行時の腸管血行動態を知る目的で,80頭の雑種成犬をもちい,尾側腸間膜動脈根部結紮後の腸管組織酸素分圧の変動を観察した.測定は銅エナメル線酸素電極法によった.測定部位は血管走行にしたがって,8カ所としたが,血管結紮後の酸素電極流値の変化率には,各部位で差異がみとめられとくに中結腸動脈と尾側腸間膜動脈の間の吻合動脈に対応する大腸が影響をうけることが推察された.測定電流値が正しく血行動態を反映するかは,今後さらに検討を要すところであるが,以上の実験的検討より,高位結紮をおこなう前方切除術にあっては,吻合の際,口側腸管は横行結腸とすることが望ましいと考えられる.

索引用語
前方切除術, 銅エナメル線酸素電極法, 腸管組織酸素分圧, 下腸間膜動脈高位結紮, 縫合不全

日消外会誌 11: 455-470, 1978

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