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第11巻 第10号 1978年10月 [目次] [全文 ( PDF 497KB)]
原著

噴門部胃癌の術後断端再発症例よりみた手術時食道切除範囲の検討

福田 一郎, 岩永 剛, 寺沢 敏夫, 青木 行俊, 谷口 健三, 小山 博記, 古河 洋

大阪府立成人病センター外科

 噴門部胃癌191例のうち,手術後の吻合部断端再発17例について検討し,次の結果を得た.(1)食道への胃癌浸潤先進部は,粘膜深層より深部の食道壁にあることが多く,術中の全層の迅速組織診は重要である.(2)食道への浸潤の長さは,固定標本で最長8 cmのものもあり注意を要する.(3)ow(-)例でも断端再発がみられたが,組織学的癌浸潤先端から固定標本で2.1 cm以上口側で切除されたものには断端再発がなかった.(4)食道浸潤例では,肉眼的腫瘍縁より,浸潤型では限局型よりも,またリンパ系侵襲高度なものでは軽度なものよりも,より広く口側への浸潤が及んでいた.(5)食道への癌浸潤部を十分切除するには,右開胸が最も良い.

索引用語
噴門部胃癌, 食道切除範囲, 断端再発, 食道浸潤

日消外会誌 11: 806-810, 1978

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