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第11巻 第12号 1978年12月 [目次] [全文 ( PDF 598KB)]
原著

胃性ガストリン放出に関する実験的研究

杉原 国扶, 駱 万才, 竹下 公矢, 中嶋 昭, 砂川 正勝, 小嶋 心一, 石井 敏勤, 星 和夫, 村上 忠重

東京医科歯科大学医学部第1外科

 雑種成犬に幽門洞pouchを作成し,幽門洞刺激下での右胃大網静脈および末梢静脈の血中ガストリン値の変動を比較した.Achおよびグリシン刺激で右胃大網静脈血中ガストリン値は急速に上昇し,幽門洞酸性化によりすみやかに低下した.末梢静脈血では,Ach刺激に対してはやや遅れてガストリン値の変動がみられるが,上昇の程度は小さい.一方グリシン刺激ではほとんどガストリン値の変動を認めなかった.これは右胃大網静脈血が直接gastric gastrinの変動をとらえていることを示すとともに,末梢では体循環過程での代謝を受けた結果を測定しているためであろう.胃性ガストリンの放出に関しては右胃大網静脈血で検討することが実験的に有効な方法である.

索引用語
幽門洞pouch, gastrin release, gastric gastrin, 右胃大網静脈

日消外会誌 11: 995-1000, 1978

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