症例
食道膀胱異時性重複癌の1治験例
中田 芳孝, 鍋谷 欣市, 花岡 建夫, 小野沢 君夫, 李 思元, 新井 裕二, 本島 悌司, 入村 哲也, 宮島 久仁
杏林大学第2外科
重複癌は本邦においては同時性と異時性に分類して検討されることが多い.同時性重複癌は第1癌発症後第2癌の発症が1年以内のものとし,それ以外は異時性とされている.近年平均余命の延長や早期診断技術の向上に伴い異時性重複癌の増加が予想される.われわれの教室で最近,膀胱癌根治術約4年後に食道癌根治術を行った,食道膀胱異時性重複癌症例を経験した.膀胱癌は移行上皮癌,食道癌は扁平上皮癌であった.膀胱癌と食道癌の重複は現在までに4例報告されたのみであるが,膀胱癌のように経過の比較的長い癌では術後の経過観察は,再発の有無にのみとらわれず,他臓器の検索にも十分注意を払うべきであると考えている.
索引用語
食道膀胱重複癌, 異時性重複癌
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