非特異性大腸潰瘍5症例の検討

赤尾　建夫, 藤本　茂, 橘川　征夫, 高橋　誠, 伊藤　文二, 石神　博昭, 南　智仁, 宮崎　勝, 伊藤　健次郎

千葉大学第1外科

　最近5例の非特異性大腸潰瘍症を経験した．全例盲腸に発症した．第1，2例は初回の回盲部切除の際，直径4 cmの円形潰瘍を認め，各々術後11，4年目に瘻孔形成を見た．第2例は再手術の際，吻合部に前回同様の潰瘍を認め，第1例は潰瘍の再発は確認しえなかった．また第3，4例は深い小潰瘍を各，盲腸後壁および，盲腸外側壁に認めた．第5例は虫垂根部に小潰瘍を伴う炎症性polypを認めた．第1，2例の初発，再発時の組織学的所見は，円形細胞浸潤と肉茅組織，fibrosisを認めCrohn病のそれと類似していた．一方，第3，4例は円形細胞浸潤等の所見が主体であり，第5例は1，2例と同様の特徴を示した．さらに細胞免疫学的検討ではCrohn病と相違した．

索引用語
非特異性大腸潰瘍症, 細胞性免疫, 潰瘍再発

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