原著
同一犬における各種迷切術前後の筋電図学的変化に関する研究―筋電図測定装置の改良も含めて―
野沢 晃一
新潟大学医学部外科学教室第1講座(指導:武藤輝一教授)
各種迷切術が胃運動にどのような影響を与えるかを筋電図学上の観点より検討した.電極を植込んだ電極慢性犬(対照)を作成し,この同一犬を用いて順次,選択的近位胃迷切術(SPV),選択的胃迷切術(SV),全幹迷切術(TV)を行い種々の刺激物を与え検討すると,対照とSPVの間には,非刺激時dysrhythmiaが少なく,各刺激時の放電間隔,伝播速度パターン,spike burst亢進パターンの差が少なく,SVやTVでは非刺激時にdysrhythmiaの出現が高く,とくに食餌刺激時の胃体部伝播速度が著明な遅延を示した.これらの所見は迷切後の胃運動機能低下や胃内容排出遅延と関連する現象と考えられた.また,迷走神経幽門洞枝の役割は胃運動に大きな影響をもつことが示唆された.
索引用語
迷切術, 胃運動, 筋電図, 放電間隔, 伝播速度
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