原著
胆道系悪性腫瘍における経動脈門脈造影像の検討
名越 和夫, 折居 和雄, 轟 健, 更科 広実, 竹島 徹, 高瀬 靖広, 尾崎 梓, 深尾 立, 岡村 隆夫, 中原 朗*, 岩崎 洋治
筑波大学臨床医学系外科 *同内科
肝門部胆管癌10例,胆のう癌6例を対象に術前,門脈への浸潤の有無を知る目的で,経動脈門脈造影を施行し,門脈像と手術および剖検所見との対比より,その診断的意義を検討した.血管拡張剤を用いた経上腸問膜動脈門脈造影を行えば常に明瞭な門脈造影像を得ることができる.さらに門脈と胆管の位置関係を考慮して門脈を2分間(正面,第2科位)より撮影し,得られた門脈造影所見は手術および剖検所見とよく一致し,切除可否の決定の術式選択に有効であった.また胆管造影像で肝内胆管第2分岐部を越えて肝側に浸潤のおよぶ胆管癌では,門脈への浸潤の可能性が高いことが判明した.
索引用語
経動脈門脈造影, 経皮経肝門脈造影, 肝門部胆管癌, 胆のう癌, 肝門部胆管空腸吻合術
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