原著
高令者開腹手術前後の肺機能
岩井 宣健, 古賀 成昌, 西村 興亜, 水本 清, 岸 清志, 日野原 徹, 竹内 勤
鳥取大学第1外科
70歳以上の高齢者の開腹手術前後に各種肺機能検査を施行し,術後肺合併症との相関を検討した.高齢者の術後肺合併症の発生頻度は48%と高率であった.高齢者では,術前より多彩な肺の病変を有し,とくに慢性閉塞性肺疾患を併存する例では,術後肺合併症発生率が高く,かかる症例に対してはFlow-volume曲線は有用な検査法である.術後では,早期の換気能障害は顕著であり,poor risk例および肺合併症合併例では術前値への回復が非常に遅延した.術後のhypoxemiaは無気肺に起因するshuntが主要因と思われる.
索引用語
高令者開腹術後肺合併症, spirogram, 慢性閉塞性肺疾患, Flow-volume曲線, 術後hypoxemia
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|