原著
負荷試験によるセクレチン放出の検討―胃切除術後再建術式の比較―
小田原 良治, 西 満正, 小玉 徳信, 野村 秀洋, 愛甲 孝, 金子 洋一
鹿児島大学第1外科(主任:西 満正教授)
雑種成犬18頭および臨床例67例を対象として負荷試験によるセクレチン放出を検討した.その結果,0.3 M Glycinc,各濃度Etylalcoholには直接的セクレチン放出作用はなく,稀塩酸のみ有意のセクレチン放出作用を認めた.ヒトにおけるアルコールのセクレチン放出作用は,アルコール投与により惹起された胃酸分泌の亢進が原因と考えられる.臨床例の空腹時セクレチン値は,胃全剔で低値を示す傾向にあり,セクレチン値と健常な胃の存在が密接な関係にあることがうかがわれた.塩酸負荷後のセクレチン放出は,胃全剔例では,Roux-YよりDouble Tractが良好であり,噴門側胃切除例ではN字吻合が良好であった.
索引用語
セクレチン放出, 塩酸負荷試験, アルコール負荷試験, 胃全剔術, 噴門側切除N字吻合法
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|