原著
胃癌補助療法としての経口制癌剤外来長期投与の適応に関する検討
副島 清治
弘前大学医学部第1外科
経口制癌剤外来長期投与の適応について,胃癌の制癌剤に対する感受性,制癌剤の腫瘍到達性の二点から検討した.
胃癌症例140例について観察した胃癌の制癌剤に対する感受性は,Diffusion chamber法によると,症例の約70%が制癌剤に有効性を示し,約30%は制癌剤に無効であった.組織型別では,高分化型が制癌剤高感受性の傾向を示し,低分化型は低感受性傾向を示した.
経口制癌剤FT 207 capsule,5FU dry syrupともによい胃癌腫瘍内到達性を示し,組織型別では高分化型が高い到達性,低分化型が低い到達性を示した.
胃癌非治癒切除例で外来長期投与が有効と考えられた症例は,組織型高分化,制癌剤高感受性,制癌剤血中高持続性の傾向を示した.
索引用語
胃癌補助化学療法, 経口制癌剤, 制癌剤感受性, 制癌剤腫瘍内濃度
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|