原著
胆嚢の原発性粘膜肥厚(Primary Mucosal Hyperplasia)症例の検討
武藤 良弘, 鮫島 恭彦, 脇 慎治, 林 輝義, 立花 正, 大津 哲雄, 内村 正幸, 岡本 一也1)
浜松医療センター外科, 同 検査科病理1)
良性胆嚢疾患で摘出された症例の中,肉眼的に診断可能と考えられる(組織標本上1 mm以上の肥厚があり1 cm以上の広がり)粘膜肥厚例12例を対象に臨床病理学的に検討した.症例の平均年齢は51歳で,男性7例,女性5例であり,主疾患の内訳は胆石症6例,他の消化器疾患4例,残りの2例は粘膜肥厚が主疾患であった.粘膜肥厚部は肉眼的に粗大顆粒状の平坦肥厚を示し,組織学的にvillous typeの粘膜上皮の増殖例が多く,頚部に局在する傾向がうかがえた.本症の成因は不明でありそのために独立疾患か否かの究明が不可欠である.さらに早期胆嚢癌との鑑別を要し,加えて癌との関連性の検討が必要と考える.
索引用語
原発性胆嚢粘膜肥厚, 胆嚢粘膜増殖
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