原著
胃癌における肝転移の診断法
北島 政樹, 検見崎 博樹, 相馬 智
杏林大学第1外科
胃癌手術前に肝転移の有無を察知することは治療法の決定に重要である.そこで術前に,1)肝シンチグラム,2)選択的腹腔動脈造影,3)αフェトプロティン(αFp)測定,4)超音波検査,5)CTスキャンニングを施行し,手術および剖検所見と比較することにより臨床的意義について検討した.肝シンチグラムは3 cm以下の腫瘍の診断が困難の場合が多く,同時に偽陽性,偽陰性所見も認められた.動脈造影は血管増生,濃染像,肝動脈枝の変化が主所見であった.6例にαFp陽性を認め,いずれも肝転移陽性であった.胃癌肝転移は検査対象胃癌132例中34例(25.8%)に認められ,病理組織学的には分化型腺管腺癌が多かった.
索引用語
肝転移, 肝シンチグラム, 選択的腹腔動脈造影, αフェトプロテイン, CTスキャンニング
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