原著
胃切除後胆石症―とくに胆汁のlithogenicityと胆嚢収縮能について―
仲野 明, 石黒 直樹, 嶋田 紘, 杉山 貢, 福島 恒男, 土屋 周二
横浜市立大学第2外科
過去5年に教室で行った胃切除術後に6例胆石症を経験した.それらの症例の胆汁中のコレステロール,燐脂質,胆汁酸の%モル比から胆汁のlithogenicityを求め一般胆石症および胆石症を伴なわない胃切除後症例のlithogenicityと比較検討した.また胃切除症例の術前,後の胆嚢収縮率について比較を行った.
Admirand-Smallの三角の位置からみると胃切除後胆石症および胆石症を伴なわない胃切除後症例のlithogenicityは,一般胆石症のそれに比して低いと考えられた.
胃切除後の胆嚢収縮率は術前に比して低下していた.これらのことより胃切除後胆石症の成因としては,胆汁のlithogenicityの変化より,術後に胆嚢機能が低下し胆汁うっ滞による因子が強いと考えられた.
索引用語
胃切除後胆石症, lithogenicity, 胆石の成因, 胆汁酸, 胆嚢収縮率
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