原著
肝・胆道シンチグラムの定量的解析とこれによる胃全摘後Postcibal Asynchronismの経時的観察
青木 洋三*, 谷口 勝俊*, 勝見 正治*, 鳥住 和民**
*和歌山県立医科大学消化器外科, **同・R.I.室
胃全摘Roux-en-Y再建術後患者の胆汁排泄能を知り術後における消化吸収機能の一端を推察すべく,シンチカメラにコンピューターをon lineに接続した装置で,99mTc-(Sn)-pyridoxylideneisoleucineを用いた肝・胆道シンチグラムのデータを定量的に解析した.肝,胆嚢,総胆管,十二指腸,小腸の各領域におけるtime-activity curveを求めると,対照に比し術後間もない患者では肝外胆道および十二指腸における著明な胆汁うっ滞傾向を示した.しかしこの現象も年月の経過とともに消失し,1年半後には対照のパターンに近づいた.本法は胆汁排泄動態を知る上できわめて簡便かつ有力であり,消化器外科領域での応用範囲も広いものと思われた.
索引用語
肝・胆道シンチグラム, 胃全摘術, 幹迷切, 99 mTc-(Sn)-pyridoxylideneisoleucine, Postcibal asynchronism
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