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第13巻 第4号 1980年4月 [目次] [全文 ( PDF 1165KB)]
原著

胃ストレス潰瘍発生に対する組織中アミンの役割について―視床下部-迷走神経系および下垂体-副腎皮質系の影響―

池田 義雄

横浜市立大学第2外科(主任:土屋周二教授)

 迷切および非迷切ラット(各群10匹づつ)に冷水拘束ストレスを加え,経時的に断頭屠殺し,胃組織中アミン,視床下部catecholamine,血中ACTH,corticosteroidを測定した.非迷切群では100%出血びらんという潰瘍性変化がみられたのに対し,迷切群ではほぼ完全(90~100%)にその発生は抑制された.胃組織中アミンは非迷切群では増加したのに対し,迷切群では変動しなかった.視床下部noradrenalinは非迷切群では二相性に変動するのに対し,迷切群では変動がみられなかった.一方,血中ACTHおよびcortico-steroidは両群とも同様の変動を示した.以上より,胃ストレス潰瘍発生は,下垂体一副腎皮質系よりも,むしろ視床下部一迷走神経系の興奮によって胃組織中アミンが変動することによると推測される.

索引用語
ストレス潰瘍, アミン, 視床下部, 迷走神経, 下垂体一副腎皮質系

日消外会誌 13: 269-280, 1980

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