原著
膵のインスリン産生腫瘍の診断と治療―当教室における15例の検討―
古賀 明俊, 城戸 英希, 藤堂 省, 川上 克彦, 中山 文夫
九州大学第1外科
15例の膵インスリン産生腫瘍を報告した.12例はインスリノーマでこのうち1例は異所性で,すべて単発性で,良性であった.2例は過形成,1例は組織学的に異常所見はなかった.全例にWhippleの三主徴があり,血中高インスリン値,種々の誘発試験を組合わせることにより診断が確実になる.選択的血管造影は72.7%に陽性であった.逆行性膵管造影も間接的診断法になる.手術は膵尾部切除2例,膵体尾部切除2例,膵頭十二指腸切除1例,異所性腫瘍摘出1例,腫瘍核出術9例である.術中血糖値の測定は腫瘍摘出成功の判定に有効で,30分以上の持続的上昇を確認する必要がある.手術成績は14例が治癒し,1例は術後肝不全で死亡した.
索引用語
インスノーマ, 膵のイスンリン産生腫瘍, 膵腫瘍, 内分泌腫瘍
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