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第13巻 第4号 1980年4月 [目次] [全文 ( PDF 812KB)]
原著

腹腔動脈起始部圧迫症候群

重松 宏, 宮沢 幸久, 堀江 良秋, 大橋 重信, 三島 好雄

東京大学医学部第1外科

 教室で最近1年間に経験した腹腔動脈起始部圧迫症候群の4例について検討した.いずれも上腹部疝痛発作と血管雑音を特徴とし,側方向大動脈造影により腹腔動脈起始部狭窄が認められ診断が確定した.Celiac stealの疑われた3例に圧迫の原因となる内側弓状靱帯や腹腔動脈周囲神経叢の切離を行うことにより狭窄は解除され,臨床症状の改善と体重の増加が得られた.本症は本邦では原因不明の腹痛として処理されているが,腹痛,体重減少,腹部血管雑音,動脈造影による明らかな腹腔動脈の狭窄性病変を有し腹痛をきたす他疾患の存在が否定される例については,積極的に手術を行うことにより症状の改善が得られると考えられた.

索引用語
腹腔動脈起始部圧迫症候群, 腹腔動脈狭窄, 腸管虚血, 側方向大動脈造影

日消外会誌 13: 295-302, 1980

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