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第13巻 第7号 1980年7月 [目次] [全文 ( PDF 914KB)]
原著

食道癌壁内転移に関する臨床病理学的検討

井手 博子, 荻野 知己, 吉田 克己, 村田 洋子, 茂木 登茂子, 林 恒男, 吉田 操, 山田 明義, 遠藤 光夫

東京女子医大消化器病センター外科

 食道癌治療成績向上のため壁内転移例の実態を臨床病理学的に検討した.検索症例813例中壁内転移例は8.4%にみられた.転移巣は単数,複数例はぼ同率にみられ,転移の方向は口側44%,肛門側38%,両側18%でa因子よりn因子が進んでいるものが多く,手術時の進行度はIV度が79%を占めた.壁内の転移部位は1 pm≧sm>mpの順に多くm-a(s)の全層型は全て胃壁内転移巣であった.転移距離は5 cm以内が多かったが多発例では7~8 cmもかなりみられ最高は口側12 cm,肛門側11.5 cmであった.予後は進行度IV度は術後6ヵ月以内に約半数が死亡したがIII度は半数以上が術後1年以上生存した.長期生存例,短期死亡例を検討し早期切除および術後合併療法の必要性を強調した.

索引用語
食道癌, 壁内転移, 胃壁内転移, 多発癌巣, 跳躍転移

日消外会誌 13: 781-789, 1980

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