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第13巻 第7号 1980年7月 [目次] [全文 ( PDF 589KB)]
原著

食道静脈瘤の外科療法に関する実験的,臨床的研究

河野 洋

久留米大学医学部第1外科

 食道静脈瘤に対する外科療法において,各術式が肝血流に及ぼす影響を知ることは必要である.そこで,肝圧縮法による実験的門脈圧亢進症を7頭の雑種犬に作成し,撰択的短絡術式の1つである遠位脾腎静脈吻合術を施行したところ,門脈圧は28%の減少が,門脈血流量(電磁血流計による)は35%の減少が認められた.つぎに直達手術における経胸的到達法と経腹的到達法とについてICG消失率により肝血流に及ぼす影響を臨床的に比較検討してみた.食道静脈瘤症例に対して経胸経横隔膜的直達手術を施行した20例と経腹的直達手術を施行した10例について,術前後のICG消失率の変化を比較したところ,明らかに前者の方が術後の変化は少なく,肝血流に及ぼす影響は少ないようであった.

索引用語
門脈圧, 門脈血流量, 肝圧縮法, 遠位脾腎静脈吻合術, 直達手術

日消外会誌 13: 790-795, 1980

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