原著
胃肉腫の臨床的検討
平田 公一, 臼井 朋明, 菅野 裕介, 横川 金弥, 時田 捷司, 戸塚 守夫, 早坂 滉
札幌医科大学第1外科
過去10年間に当教室で経験した胃肉腫17例について検討した.全胃悪性腫瘍769例の2.2%で,悪性リンパ腫(細網肉腫)5例,平滑筋肉腫11例,癌肉腫疑1例である.
悪性リンパ腫は胃内・浸潤型が多く,転移はリンパ行性にあり予後が悪い.しかし,腫瘍細胞が粘膜筋板までにとどまる,早期胃癌に準ずると早期細網肉腫と考えられる1例のみが生存中である.これに対し平滑筋肉腫は胃外・限局型が多く,リンパ行性転移例はなかったが,血行性転移は2例にあった.血行性転移の有無の可能性,あるいは予後の判定にはStoutらが唱えた腫瘍組織中における細胞分裂数による指標が臨床的に重要な意義があると考えられた.
索引用語
胃肉腫, 細網肉腫, 平滑筋肉腫 早期細網肉腫, Stoutの指数
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