原著
胃切除後吻合部潰瘍の病態生理に関する研究
京 明雄
兵庫医科大学第1外科学教室
胃切除後吻合部潰瘍症例21例,十二指腸潰瘍症例60例,胃切除後吻合部潰瘍のない症例17例を対象として,刺激前基礎酸分泌,血清ガストリン値およびテトラガストリン,セクレチン,レギュラー・インスリン,Ca++グルコネート刺激による胃酸および血清ガストリン反応を検索した.吻合部潰瘍では,かならずしも残胃の大きさと相関しない機能的壁細胞量の残存過剰が認められ,しかもその約4割が基礎分泌状態において持続的に機能している状態にあり,これは主として迷走神経の影響を受けた残存壁細胞の機能異常と密接な関連性を持ったことが推定された.
索引用語
吻合部潰瘍, 胃切除術後基礎分泌, 迷走神経切断術
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