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第13巻 第7号 1980年7月 [目次] [全文 ( PDF 559KB)]
原著

胃癌患者免疫能の抑制機序について

石神 博昭, 藤本 茂

千葉大学第1外科

 健常人8例,消化性潰瘍患者8例,胃癌患者10例より早期空腹時テトラガストリン刺激下に,胃内pHを7前後に保ちつつ胃液を採取した.これら胃液を濾過,遠沈し,8~10℃の流水中にて透析した後真空乾燥し,各群のそれぞれの症例より同一蛋白量づつを取り混合したものを各群の胃液抽出物質とした.健常人および消化性潰瘍胃液抽出物質は,健常人9例の末梢血リンパ球を用いたPHA,Con AあるいはSepharose protein Aによるリンパ球幼若化反応に対してほとんど影響を与えなかった.一方,胃癌胃液抽出物質は上記mitogenによるリンパ球幼若化反応を30 µg/mlの添加で17.3~35.1%,100 µg/mlの添加で40.9~55.9%の抑制を示した.また,健常人の末梢血リンパ球を用いたone-wayリンパ球混合培養に対し,健常人・消化性潰瘍胃液抽出物質は100 µg/mlの添加によりそれぞれ32.8%,33.6%の抑制を示したのに対し,胃癌胃液抽出物質では30 µg/mlの添加で86%,10 µg/mlの添加で87.3%の抑制を示した.以上より,胃癌患者胃液抽出物質はT,Bリンパ球の幼若化を非特異的に抑制する因子を含んでいると考えられた.

索引用語
胃癌, 胃液抽出物質, 免疫抑制能, 腫瘍関連抗原, リンパ球混合培養

日消外会誌 13: 837-842, 1980

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