原著
膵切除量と膵内分泌機能の臨床研究
三輪 晃一, 米村 豊, 萩野 茂, 宮崎 逸夫
金沢大学第2外科
ヒトにおける膵内分泌機能よりみた膵切除量の限界を,胃全摘膵尾側合併切除,膵十二指腸切除,膵全摘.胃全摘の51例で,経静脈的糖負荷試験,インスリン,グルカゴン分泌能の面より検討を加えた.
胃全摘膵尾側合併切除42例では,膵切除量に対応してインスリン分泌能の著しい低下がみられ,糖尿病の発生は膵切離腺が腹腔動脈直下(50%切除)の25例では認めなかったが,門脈直前(65%切除)の17例では3例(18%)にSandmeyer型糖尿病が発生した.
膵十二指腸切除の腹腔動脈直下膵切離(50%切除)の7例では,糖尿病の発生をみなかった.
3例のSandmeyer型糖尿病は6ヵ月~1年後に発生し,インスリン分泌能は全く欠如していたが,グルカゴン分泌能はよく保持されていた.
索引用語
膵切除量, Sandmeyer型糖尿病, インスリン, グルカゴン, 膵全摘
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