原著
非絞扼性腸閉塞症における胆汁酸代謝
石黒 直樹, 福島 恒男, 久保 章, 川本 勝, 仲野 明, 土屋 周二
横浜市立大学第2外科
非絞扼性腸閉塞症42例の腸液中の胆汁酸分析を行った.総胆汁酸濃度は減少し,抱合胆汁酸G/T比は低下した.腸内細菌の増殖が認められ,遊離胆汁酸の検出率は増加した.胆汁酸分画ではdeoxychol酸が減少した.
治療後にはG/T比は上昇し,腸内細菌は減少した.しかし,総胆汁酸濃度,胆汁酸分画組成比,遊離胆汁酸検出率は,手術的治療後には改善がみられたが,非手術的治療では改善が認められなかった.
胆汁酸には腸管における水分,電解質の吸収を阻害する作用のあることが報告されており,腸閉塞時には腸管内の液体貯留の一因となっていると考えられた.
索引用語
腸閉塞症, 胆汁酸, deoxychol酸
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