原著
消化性潰瘍患者の血清ガストリン反応と胃排出時間との相関
伊奈 淳
和歌山県立医科大学外科講座消化器外科(指導:勝見正治教授)
健康成人16名,胃潰瘍患者64名,十二指腸潰瘍患者41名および術後症例として教室の幽門括約筋保存胃切除例39名,標準Billroth I法例30名,Billroth II法例10名,選択的近位迷走神経切離例14名,選択的近位迷走神経切離術+幽門形成例4名及び選択的迷走神経切離術+幽門洞部切除例14名の計192名について,胃排出時間と肉汁負荷後血清ガストリン反応の関係及び胃液酸度と空腹時血清ガストリンの関係について検討した.血清ガスリン反応と胃排出時間の間に有意な相関を認めた.即ち血清ガストリン反応は胃排出時間が遅い(遠い)程強(弱)かった.この相関関係は術後胃では成立せず,胃切除群も迷切非胃切除群でも同様に消失した.
索引用語
幽門括約筋保存胃切除術, 胃排出時間, 空腹時血清ガストリン値
日消外会誌 13: 1139-1146, 1980
|
PDFを閲覧するためにはAdobe Readerが必要です |
|