原著
膵全摘術後の代謝に関する臨床的研究
田代 征記, 後藤 平明, 今野 俊光, 村田 悦男, 横山 育三
熊本大学医学部第1外科
膵全摘術を4例に施行し,術後の代謝,特に糖代謝と消化管ホルモンの変動とについて検討した.糖代謝に関しては,術後早期のcatabolic phaseでは糖5~6 gに1単位の,anabolic phaseになると糖8~10 gに1単位のinsulinでcontrolできた.感染時の血糖調節のcontrolは困難であった.消化管ホルモンの動態については30 K抗体に対するIRGの存在は認められたが,血糖上昇作用の有無については不明であった.経口ブドウ糖負荷ではIRG値は上昇した.arginine負荷ではglucagon分泌は誘発されなかった.食餌負荷によるgastrin分泌反応は全くみられなかった.
索引用語
膵全摘術, 膵全摘術後の代謝, 膵全摘術後の術後管理, 膵glucagon, gastro-intestinal-glucagon immunoreactivity(GI-GI)
日消外会誌 13: 1147-1152, 1980
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